
巻き爪・陥入爪
巻き爪とは
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爪が過度に湾曲している状態のことをいいます。
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炎症(腫れ・赤み)はないか、あっても軽度な場合がほとんどです。
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女性や高齢者に多い傾向にあります。
巻き爪の原因
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周囲からの圧迫により爪の変形が起こります。
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履物による圧迫(高いヒールや先端が尖った靴)や外反母趾により内側から爪が圧迫されることで爪が内側に変形していきます。
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寝たきりやサルコペニアによる歩行不足も原因の一つとなります。
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爪白癬を合併することもあります。



過度な湾曲により皮膚を挟み込んでしまっている


外反母趾に伴う巻き爪
陥入爪とは
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爪が皮膚に刺入して痛みや炎症(腫れ・赤み)を起こしている状態のことをいいます。
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重症例では盛り上がった肉芽を形成したり、二次感染による異臭を放つこともあり、歩行に支障がでることもあります。
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比較的若年層に多い傾向にあります。
陥入爪の原因
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深爪が原因となるケースが多くみられます。
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スポーツなどにより母趾や爪に過度な負担がかかることも原因の1つです。

深爪による一般的な陥入爪

皮膚の腫脹により
爪が埋没している

肉芽を伴った重症例
巻き爪・陥入爪に対する治療
巻き爪・陥入爪の治療には以下の3種類があります
保存療法(保険診療)
炎症や痛みが軽度のものであれば、抗生剤内服・外用治療などの保存的治療で改善を図れます。その他、ご自宅でできるガーゼパッキング法やテーピング法もあります。
矯正療法(保険外診療)
当院では、巻き爪マイスターを用いた矯正治療を採用しております。
従来のワイヤー矯正とは異なり、爪の長さに制限が少ないのが特徴です。
在庫がありましたら、受診時に治療可能です。こちらは自費診療となります。
手術療法(保険診療)
フェノール法、鬼塚法などがあります。
手術といっても大袈裟なものではなく日帰りでできます。手術は予約制です。
巻き爪・陥入爪に対する治療
保険外診療
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湾曲した爪もしくは食い込んでしまった爪を本来の形状に矯正する方法です。
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巻き爪マイスターという矯正器具を装着し、時間をかけて矯正していきます。
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早ければ2週間、多くの方は1〜2ヶ月程度の治療期間で爪は矯正されます。
その後は巻き爪マイスターを取り外し経過観察とします。 -
巻き爪のみならず、一部の陥入爪でも効果的ですので、手術に抵抗のある方にもお勧めです。
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基本的に麻酔は不要です。
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適応は巻き爪全般、軽症〜中等症の陥入爪です。
矯正器具(巻き爪マイスター)装着の流れ

01
①爪幅を測ります

02
②Uフックを爪側縁に引っかけます。

03
③専用工具でUフックを潰し、爪に固定します。
※装着には専用工具が必要です。医療機関において、医療担当者が爪の状態を確認してから装着します。患者さんご自身やご家族による装着はお控えください。
費用(保険外診療)

※メンテナンスとは巻き爪マイスターの装着位置を調整することです。
爪の成長に伴って定期的なメンテナンスが必要になります。
メンテナンスのため、2〜4週間に1回の来院をお願いしております。
巻き爪マイスターは、安全性の面からも2ヶ月に1回は交換させていただいております。
巻き爪・陥入爪に対する手術療法
(保険診療)
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巻き爪・陥入爪による症状(痛み、腫れ、肉芽形成)を改善し、再発を予防するための治療です。
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皮膚に食い込んだ部分の爪を爪の根元から除去し、爪の幅を狭くします。
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取り除いた部分の爪は今後生えてこないように施術し、再発を予防します。
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麻酔は伝達麻酔で行います。(指の付け根から麻酔の注射をし、指全体の痛みを取り除きます)
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手術時間は10分程度です。
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手術後1時間程度で麻酔は切れますが、その後の痛みは痛み止めで対応できる程度のものがほとんどですのでご安心ください。
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手術後は母趾に厚めのガーゼを巻きますので、指先に余裕のある靴やサンダルでのご来院をお願いしております。
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手術後は徒歩で帰れますが、車の運転などはお控えください。
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適応としては、一部の巻き爪、軽症〜重症の陥入爪です。
手術前

手術直後

両側端の爪が
皮膚を巻き込んでいる
両側端の爪を除去
爪幅が狭くなった状態
巻き爪・陥入爪を放っておくとどうなる
巻き爪
いったん変形してしまった爪は自然にはなかなか元には戻りません。
矯正治療は爪本来の形を取り戻すきっかけになるためとても効果的です。
陥入爪
症状が軽度であれば、爪を伸ばすだけで治ることもあります。
炎症が強いものや、肉芽形成を起こしてしまったものに関しては、何らかの処置をしないと症状は徐々に悪化していきます。
巻き爪・陥入爪は生活に支障がでる前に受診しましょう